ゆめ
軽い…
錯覚を起こしていない健太も翔も、なぜこんなに軽く受け入れてしまうのか…。
私は交番に迷子の問い合わせがないか尋ねてみた。
やっぱり人様の子供を何食わぬ顔で置いとくわけにはいかない…。
「あなたが迷子さんを預かってるということなんですか?」
「ええ、3歳の女の子なんです。捜してるという方居られませんか?」
「うーん…、ないねぇ、今そういう依頼は…。で、今その子はどちらに?」
「私の実家に…。なんか…ヘンなんですよ」
「ヘン?」
「母はあの子のことを孫と言ったり、あの子は私のことママと言ったり…」
お巡りさんは首を傾げながら私の顔を凝視した。
「……?」
「あなた、何か記憶障害でもあるんじゃないですか?」
「はぁ!?」
もういい!失礼な!
私は怒って交番を出た。
私は病気か!
…病気なのか。
お医者さんに言われたこと…
ゆめが現れたこと…
こんな現状…
また混乱してきた。