ゆめ
そしてまためまいがして…
何か…大きなかぼちゃが私に落ちてきた…
「んー…?」
その重さで気がついた。
かぼちゃの正体は、ゆめだった。
ゆめが倒れた私に馬乗りになっていた。
「ママー、どうしたのぉ?こんなとこでねんねしたらカゼひくよー」
「は…ははは、そうだね…。…そろそろ帰ろうか」
「うん!」
なんか…
もういい、と思った。投げやりとかではなくて…
ゆめがママ、ママとなついてくれているのが単純に嬉しかった。
お医者さんに宣告されたこともゆめがいる間は忘れよう。
きっと神様が、子供を産めない私に、しばらくでも夢をくれたんだ。
なるようになればいい。
割り切れた私は晴れ晴れとしていた。
「亜紗子、今日元気だな」
「えー?いつも元気だよぉ!」
「そうか?なんかここのところ、そうは見えなかったけど。気のせいだったか?」
「…………」
健太は私が落ち込んでいたのに気づいてくれたんだ…。