ゆめ

やっぱり何か…私が夢を見ていたのだろうか…?


でも健太はちゃんと、ゆめのこと覚えている。




……翔は?




「あ~あ。孫がいない生活なんて、つまらん老後だなぁ!」

「…おじちゃん、今日は美味しいアジが入ったよ!」

「おぉ翔!いいところに来た!あがれあがれ」



翔…本当いいところに来てくれた。



「亜紗子ちゃん…大丈夫か?今日もだいぶチクチク言われてるようだけど…」

「…大丈夫じゃないよ」

「だよな…。あれ?ゆめちゃんは?」

「翔…はゆめのこと覚えてるのね!?」

「うん…て、え?あれ?」

「ゆめ…昨日居なくなったちゃった…」

「えっ!?」

「さっきの様子、見たでしょ。なんか…親の錯覚もとけたみたい。ゆめのことも覚えてないみたい…」

「そう…なんだ…」

「翔くんお茶が入ったわよ。あら亜紗子、まだいたの?」

「いたの?…って。帰りますよ、もう」



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