ナルシー少年☆蛍斗くん


涙はもう枯れたと思っていたのにじわじわと溢れてくる。


「矢恵っぴ~」

亜杜が優しく抱きしめてよしよししてくれた。


「ま、もしもの時は俺がホントの彼氏になって慰めてやるって。」

桃汰くんも背中をポンポンしてくれる。

2人にそんなことされたらダムが崩壊するよ~

まぁ優しさに浸る暇は無かったけど。


「矢恵っぴは渡さないんだから!!」

「いやいや、俺ら付き合ってるから。」

「ホントじゃないもん!」

また始まったからね。
仲悪いなー


「じゃあホントにしてみよっかなー」


桃汰くんにいきなり引き寄せられる。
ヒャー

なぜか亜杜の悲鳴が。


そして桃汰くんの顔が近づいて


ってコラ!!
素早く逃げてなんとか阻止できた。

「チッ、」


別に悔しそうではないが舌打ちされる。
なんて男だ。
 
そして今度は近くにいた亜杜の顎を掴んで引き寄せて。
どうしても誰か虐めたいらしい。

ドSめ。

亜杜の顔は頬を片手で掴まれ口が3の字になった。

「ひょっと!!ひゃめて!!」

フフ~亜杜、可愛い。


桃汰くんも楽しそう。
目を細めて、ニンマリしている。

そして

その可愛い口に

チュッ!?


満足したらしい桃汰くんは何冊かの本を手に取ると立ち上がった。


「じゃ俺帰るわ!亜杜、コレ借りてくから。」



「に、二度と来ないで!!」


亜杜の絶叫で見送った。


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