ナルシー少年☆蛍斗くん


「でもさぁ、蛍斗くんは学校では矢恵に関わろうとしなかったんでしょ?」

「まぁ・・・」


「きっと、ナルシストが本当ならぁ、矢恵に会ったら本性がでると思ったのよ。ね?」


「そうだと思うけどさ・・・」


「蛍斗くんは学校の人には普段の姿を知られたくなかったんだと思うわ。本来の自分を知っている人が近づくのは嫌なものじゃない?」

ナルシスト故に・・・?


「で、でも、無視とか」

「矢恵だって蛍斗くんが会いに来たら無視しそうじゃない???てかするわよ、絶対。それに会いに行く理由が素顔を暴くためぇ!?酷いでしょ!!蛍斗くんが可哀想よ。」

美春に負けた。
私も少し悪いような気がしてきたんだ。


「・・・そうだよね。少しだけ謝る気持ちが出てきた。でも、それなら私の前でも同じように王子様でいればいいのに。」



「四六時中、王子様じゃいられないわよぉ。矢恵には気を許してるに違いないわ!!」

何を思ったのか、キラキラとした目で見てくる。

「そ、そうじゃな」

「とにかく謝るんだよ?」

「・・・分かった。明日か明後日謝る。」

「今日謝りなさい!!」

今日の美春はお母さんのようだ。

智美はというと、ウルウルとしていた。
蛍斗がナルシストという事実を受け入れたんだろう。
私は智美をなでなでしながら、蛍斗に謝罪することを二人に誓った。



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