ナルシー少年☆蛍斗くん
一枚上手〜謝罪〜
私はすぐに家に帰り、机に向かった。
謝罪の手紙を書いているのだ。
手紙の方がやりやすいだろう。
『私は貴方がナルシスト故に、酷いことをしたと思っています。どうか許・・・』
うおぉ〜!
駄目だ。
私が書くと嫌味な文になる。
やっぱり口で言った方がいいかもしれない。
トン、トン、トン
トン、トン、トン
誰だよ。
こんな大事な時に!!
少し乱暴にドアを開ける。
蛍斗が立っていた。
奴の方からくるとは思ってなかった私は、少し動揺する。
奴も気まずそうだ。
「・・・入るぞ?」
「うん。」
私達は勉強机とは別の、小さな机に向かい合って座った。
「あんまり怒ってないんだな。もっと怒ってると思ってた。」
奴は座ってすぐにそう言った。
私は謝る覚悟を決め、奴を見た。
奴の瞳がゆらゆらと揺れてるみたいに見える。
「昨日までは怒ってた。でも考え直した。」
蛍斗は、えっ!?という風な顔で私を見る。
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