ナルシー少年☆蛍斗くん


「どうすんだ?・・・後ちょっとだってのに・・・」

呆れたような口調に私はしゅんとなる。



「はぁ〜」

「・・・・・・ごめん・・・」


「・・・もしや寒いのか???」
そんなわけないでしょ。
こんなに晴れて、暖かいのに。


「違う・・・と思う。」


「うーん」

奴は何やら深く考え込んでしまう。

“もうメイクしなくていいんだけどなぁ”

私はもう諦めムード。

8割は出来てるから途中だってことは誰も気づかないだろう。
蛍斗を除いて。

「あ、あのさぁ」

自分だって理由がいまいち分かってないんだ。
蛍斗だって許してくれるはず・・・

「あ、あのさぁ~」

「も、もしや、病気・・・?」

「ちっがーう!!!!」


バシン!!

思わず奴の頭を引っ叩いてしまった。

「痛ッ・・・ぅおぉい!!何すんだ!!!!」


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