【短編集】闇に潜む影
長い、長い暗闇だった。
光すら見えないその暗闇に落とされた私は、
何の指標もないままに、ただ手探りで進み続けた。
だけど、もう疲れた。
これ以上、この暗闇を進み続けることはできない。
光すら見えないこの道に、
私は何を求めて歩き続ければ良いのだろう。
立ちすくんで歩けなくなった。
同じ場所に留まり続けることが許されないこの道で止まる事は、
すべての終わりを意味していた。
私は、それを望んだ。
それこそが、私に残された唯一の希望だと、私は思っていた。