【短編集】闇に潜む影
こんなもの、生まなければよかった。
どうにかしてでも堕すべきだった。
生まなければ、私はきっと今頃幸せなはずだ。
おいしい料理を食べて。
たくさんお金を持って。
したくない仕事をしなくて済んで。
要りもしない子供なんて、思いのままに捨てる事が出来て。
今頃、愛する男に愛される、幸せな生活を送れていたはずだ。
それなのに、
それなのに、
それなのに・・・。
私は未だに幸せになれない。
いつになったら幸せになれるのか、
私はもう待ち過ぎた。
私の幸せを遠ざける存在。
私の夢をぶち壊す存在。
何故「これ」を生んでしまったのだろう。