この世界は残酷なほど美しい


学生時代の写真から、結婚したばかりの写真、そして今の写真をかき集めて構成していく。


写真の中の美羽を見る度体が熱くなる。
俺は美羽以外誰も愛せない。
愛するつもりもないけれど、やっぱり美羽が一番だ。


俺をこんなにも理解してくれて、愛してくれて、傍にいてくれて。
だから頑張れるんだ。
美羽がいなかったら俺はどうなってただろう。
そう美羽に言ったら「それはこっちのセリフ」と言われてしまった。



…夜空が美しい日。
新たな命が誕生した。
汗だくにして力む美羽の姿を写真に収めていく。
どう思ったかな。
最低な夫だと思ったかな。
こんな時まで写真を撮ってって。
だけどそんな美羽が今まで見てきた中で一番美しかった。



ありがとう、逢わせてくれて。美羽に感謝するよ。
本当にありがとう。




「流星…」




名前を呼び、人差し指で手を触れると小さな手で俺の人差し指を握り返した。


涙が溢れた。



「パパだよ……」



キミのパパだよ。
見えるかな?分かるかな?



初めまして、これからもよろしくね。




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