この世界は残酷なほど美しい
流星が生まれてから俺たちの世界は輝きを増した。
二人にとって初めてのことが多すぎて、でもそれが新鮮で楽しかった。
俺を見て笑ってくれる流星がいて…美羽も喜んでくれて。
だけどちょっとヤキモチを妬いてたんだ。
美羽は流星ばかりかまって、俺を放置するから。
あ、ごめん。
これはワガママだよね。
でも寂しかったんだ。
「美羽、流星…!」
俺はずっと写真を撮り続ける。
「笑って―…」
だけど…神様。
俺はこの生活がずっと続くと…
思っていたのです。
…流星が生まれて8歳になる頃。
その頃から生きている心地がしなかった。
写真集の発売も間近に迫った頃、美羽が入院をした。
「頭が痛い」と言って検査をしたらそのまま入院をすることとなった。
担当医からは「良くは無いですが薬で直しましょう」と言われた。
はっきりした病名は聞かなかった。
聞きたくなかった。
美羽がいなくなるかもしれないという事実を。
そんな事実など必要が無い。