この世界は残酷なほど美しい



「人間らしい…人、ですか…」



自分でも笑ってしまうよ。
なぜこんな答えを言ったのだろう。
だけどきっと素直な答えなのだろう。

僕は人間らしくないと自負している。
心がないのだ、きっと。
いや、そうに違いない。
あの時から…。




「分かりました。わざわざ呼び出してごめんなさい。」




彼女はそう言って足早にその場を去って行った。
何を分かったのだろう?
僕に気持ちがないこと?
それとも“人間らしい”意味?


僕は「まぁいいか」と呟いて昼食時で騒がしい校内に入って行った。



新しい教室は3年7組。
通り慣れた廊下を歩き、教室に向かった。




「お!流星!今日はどんな子だった?」




人間らしくない僕を迎え入れたのは金髪の少年だった。
名前は斉藤蓮(さいとう れん)
蓮とは生まれた時から常に一緒にいる。
親同士が親友なのだ。

腐れ縁は今までずっと続いている。





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