パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~

「おはようございます…」



探るような目で挨拶する奈桜。
目の前にいる、スーツをバッチリ着こなした、この見るからに偉そうな人は…
事務所の専務。



「おはよう。奈桜。娘さんは元気か?」



「え?あ…はい。おかげさまで」



桜が小学校に入った話などはしない。
専務相手に膨らむ話題でもないし、詳しい話も望んでいないだろう。
奈桜はただ作り笑いで返す。



「それは良かった。家族が元気なのが1番だ。…座って」


奈桜は『失礼します』と軽くお辞儀をして座った。
さすが、応接室のソファーは座り心地が良い。
適度な体の沈み具合に思わず『おぉ♪』と小さな声が出た。



「仕事の方はどうだ?メンバー内でのトラブルとかはないか?」


「はい。全く問題ないです」



答えながら、専務の質問の意図がまだ見えて来ない。

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