パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~
「どうすればいいんだよ」
1人残った奈桜は頭を抱えた。
あの言い方は明らかに奈桜にも釘をさしている。
それくらいは奈桜にも分かっていた。
「人を好きになるのが、なんでこんなに大変なんだよ…。これじゃあ、物理よりも難しいだろ?」
奈桜にとって、物理はこの世で1番難しいモノであった。
『ふぅー』と、深いため息をつき目を閉じる。
しばらくの間、そのまま動かなかった。
「腹減ったな」
立ち上がると、何事もなかったかのように伸びをした。
「さぁ、戻ろう♪」
何を考えているのか、何かいい考えが浮かんだのか、なぁんにも考えてないのか。
奈桜はにこやかに部屋を出て行く。
立ち直りが早いのが奈桜の長所かもしれない。
「事務所も敵かぁ…」
ひとことだけ呟いて事務所を後にした。