ショッキングピンク×リボルバー





「 …お、おじゃましま…す 」





新宿駅前から
前に、彼と二人で、
ライヴハウスに向かった道とは全然違って


途中、小さな商店街とか
自転車がいっぱい停まった道を抜けて
このマンションにやって来た


何階建てなんだろう
十階くらいかもしれない


エレベーターでも
一番上の、ボタンを押して
部屋の前まで




玄関を開くと、
人の家のニオイがあんまりしなくて
結構せまくて


壁に一枚、額縁に入った
パステル色の 絵が飾ってあった


ササッと、慣れた感じで脱いだ彼と違って
…ブーツのヒモ、
かなりほどくのに手間取る

普段、履かないし…




細い廊下を進むとすぐに
かなり広い、ワンフロアの部屋





真正面に
壁一面、ベランダの窓
両端に、思いきり寄せられたカーテン


外の光が入ってきてて
すごく明るい ―――


右にクローゼット
そして左に、かなり大型のテレビ



「 なっ …何でこんなに、
テレビ何台もあるの?! 」




『 … オンラインゲーム

複アカで、
各街の市民オークション場で
買い付けとかしてるから 』



「 え、え?! 」



『 …後でわかるよ 』



「 う… うん 」





「 お邪魔します 」


「 おじゃましまーす! 」



私の後ろで詰まってた、
アズさんと青山さんが
廊下と部屋の境目で
立ち止まってるのに気がついて
急いで中に、進んだ




彼が右のベットに、コートを脱いで投げ

窓を カラカラと開ける







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