春 ~風が吹いたら~
日高と赤堀は顔を見合わせて、
『それは言えない…。』
とだけこたえた。
『店長は…知ってた…んですか?スパイって…』
『知らなかった…。条件については、話してくれなかったから。まだ…何か考えがあるんだろう。西野家にいても、スパイをする気はないから。』
『当たり前だろ!はぁ……華恋…なに考えてんだろ…?』
『俺らが思うよりも、もっと先の先まで…考えてんだよ。』
翔はそう言って、ドアを見つめた。