春 ~風が吹いたら~
『どういうことですか?』
『言ったとおりです!あと、ここに来た青山という子が言っていた仁という男は俺です。やましいことはないので、はっきり言わせてもらいます。』
『仁、あたしは辞め…』
『明日のシフトは、お昼過ぎからだから。ちゃんと来いよ!』
辞めろと言われた人たちは、渋々ロッカーを片付けて出ていった。
『どう…して?』
『もう清掃も終わったみたいだから、閉めてから外で。』
仁は沼口さんに頭を下げ、鍵を出した。