明日が欲しい
数日が経ち,彼女からの電話で目が覚めた。
どうやら精密検査を行うから、何日かは病院に入院しなければいけないらしく,当分デートが出来ないと告げられた。
仕方ないねと返事を返して電話を切った。
僕は嫌な予感がして,その日の夕方に彼女の家に電話を入れた。
彼女のお母さんが言うには,どうやら香織は薬を飲んでいなかったらしいのである。
貧血の薬は飲んだ後胃がにがり、とても苦い薬だから,薬嫌いの香織には特にこたえたのであろう。
その為に,多少進行していて,白血球と赤血球のバランスが崩れたらしいのだ。
そうして,約二ヶ月間もの間入院する羽目になってしまったのである。
それを聞いて僕もショックであった。
もうハッキリと彼女に本当の事を話して,彼女自身が病気と戦って行く心構えを持ってもらわなければ,何時また何処でとんでもない事が起きるかもしれないのである。
しかし,彼女のお母さんは,唯泣くばかりで黙り込んでしまった。
取り合えず,また連絡下さいと御願いしてから電話を切った。