ボーイフレンド
徹ちゃんの学部は二年生から別のキャンパスに移ることになっていたので、送別会を最後に、徹ちゃんと会うことはなくなった。
一番の飲み友達を失ってしまったのは残念だったけれど、二年生になって勉強が大変になったり、新たに“飲みネットワーク”が形成されたりと、あたしなりに忙しく過ごし、淋しがっている暇はなかった。
それでも時折「徹ちゃん、元気かな」なんて、飲み友達の間でなんとなく懐かしんだりしていた。
その徹ちゃんが、大学四年生になって突然あたしの前に現れたのだから、
「うそ!なんで?」
と言ってしまうのも無理ないと思う。