引っ込み思案な恋心。-2nd
すると部屋のドアが開いて、お盆にジュースのペットボトルとグラスを乗せた拓と、その後ろから映美佳が入ってきた。
「おーい、小谷来たぞ。そろそろ始めっか〜」
「お待たせー。瀬川が成長しててビックリした〜。柚もななっぺも久しぶりだね」
「あっ、映美佳!」
映美佳もやってきて、部屋もだいぶ片付いたことだし、私達はテーブルの上に勉強道具を出して準備をした。
そして……
「えっと、ななっぺが言いたい事あるんだよね」
私がななっぺに話を振ると、ななっぺは深くうなずいて私達の方を見てきた。
「あのね…、私、彼氏ができたんだ」
「…………えっ!?」
予想外な発表すぎて、私だけじゃなくて拓と映美佳もキョトンとした顔になってしまった。
拓なんて、口が開いたままなんだけど。。。
「おめでとう!どんな人?うちの学年?」
少しの沈黙の次に口を開いたのは、映美佳。
「合唱部の先輩なんだ。この前、3年生は最後のコンクールがあったんだけど、その後に告白されて……」
「映美佳の好きな人だったの?」
「好き…というか、何となく気にはなってたんだよね」
映美佳はどんどんななっぺに話を聞いていくけど、私は驚き過ぎて話に入れないでいた。
だって…、ななっぺ、1年の時は拓を好きで、そのせいで私ともケンカみたいなことして……
それがあるから、少し複雑だった。