引っ込み思案な恋心。-2nd





「えっと、課題曲は前からぼちぼち音楽の時間で練習してるんで知ってると思うんですけど…、今回決めるのは自由曲。あと…、合唱コンクールの実行委員です」






あゆがそう言うと、クラスのみんなが少しざわめきだした。






自由曲…、きっとみんなの希望を集めたらたくさんの候補が出てくると思うけど、どうやって決めるんだろう…?






「自由曲については……、とりあえず一人最低でも1曲ずつ言ってもらおうか。じゃあ端っこの一番前に座ってる遠藤から」



「えーーっ!俺からぁ〜?」



「文句言わない。どうせみんなに言ってもらうんだから。みんなちゃんと考えといてよー」






いきなりあゆに差されたクラスメイトの遠藤くんが、渋々立ち上がって少し考え込んだ後、音楽の教科書に載っていた曲を挙げて座った。






それから遠藤くんの後ろの人、後ろの人…、と立ち上がって、それぞれ曲を挙げていく。






…ヤバイ。



私も端っこの列に座ってるから、すぐ回ってくるよ〜〜。





どうしよう、考えつかない。





かぶっても大丈夫かな?





< 205 / 270 >

この作品をシェア

pagetop