引っ込み思案な恋心。-2nd
「…ごめんね。拓の家のお金で買ってきてもらってるんだよね?今度からお菓子代だけでもみんなから取った方がいいかな?」
「あ〜、そんなんじゃねーって。あんま気ぃ遣わなくてもいーから」
「でもよく考えたら、部屋まで借りちゃってるし、それぐらいはした方が……」
「いいって!ホントに!!」
「え…?」
急に拓が大きな声を出して、少しびっくりしてしまった。
私…、しつこく言っちゃったかな……?
「あ、マジでゴメン。キツかったよな?」
「ううん。こっちこそ…、ごめん」
また気まずい沈黙が流れた。
…どうしてこうなっちゃうんだろう?
私…、拓の負担とか考えて気を遣ったつもりだったけど、拓には要らないおせっかいだったのかな…?
「…私、トイレ借りてもいいかな?」
「あ、おう」
一番にこの沈黙に耐えられなくなったのは、私自身だった。
こういう状況、はっきり言って慣れてない。
1年前まではクラスに友達すらいなかったし、こんなに他人と深く付き合ったことすらなかった。
だから……、分かんないんだ。
この気まずい沈黙を打破する方法が。
…………だけど。
「うわっ!!」
ガシャッ!!
立ち上がろうとした私は敷いてあったカーペットにつまずいてしまい、そばに置いていたお盆にのった空のグラス達を倒してしまった。
大きなガラス音と共に、私の身体も大きく体勢を崩してそのまま倒れてしまった。
なんか、ますますサイアク…。