引っ込み思案な恋心。-2nd





「でも結果を先生から耳打ちで聞いてる時、柚がいきなり『えっ!?』とか声上げるから焦ったよー」



「それは言わないでよー、ななっぺ」



「マイク切ってたからそんなに聞こえてなかったけどさ。一応見てる人もいたかもしれないから気になっちゃって…」






…そう。



私はその仕事の特性上、審査結果を一番最初に知ることができる生徒になってしまうわけなんだけど……






まさか自分のクラスが優勝できるとは思ってなくて、ビックリして思わず声が出ちゃってたんだよね。。。






強いて言うなら、あれが最大のミスかもしれない。






実行委員の仕事をしている間は、クラスとか関係なく進行させないといけないのに。






「まーいいんじゃね?俺んトコまで柚の驚いた声は聞こえなかったし。誰もあんま気にしてねーって」



「おい、早く勉強の続きしよーぜー」



「マサはせっかちだな〜」






いち早く理科の教科書とノートを広げ終わった倉本くんに急かされ、私も慌てて理科の教科書をめくった。






気持ちを切り替えなくちゃ。






合唱コンクールは無事に終われたんだから、次は学年末テスト。






まだまだ気を抜くわけにはいかない。










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