迷い猫



「あ、そうだ。李桜」


「......」


「お風呂入っておいで。
 雨に濡れたままだと、風邪引くよ?」


半ば強制的にお風呂場に連れていかれた私は
大人しくお風呂を借りる事にした。



お風呂から上がった私は
アオが用意してくれ洋服に着替えた。


私が今着ているのはアオのTシャツ。
だけど身長153cmのあたしからしたら
アオのTシャツはロンT程の長さで
丁度よかった。


「あ...ありがとう」


脱衣所を出てリビングに行くと
アオはソファに座り本を読んでいた。


「ああ、気持ちかった?」


本から私に視線を移動させたアオは
ニコっと微笑む。



「李桜、髪濡れてる。
 こっちおいで」



アオが自分の隣においでって言うように
ソファをポンポンと叩いた。


私はゆっくりアオの元に近づき
遠慮がちにアオの隣に腰掛けた。




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