はつこい―君が笑ってますように。―
東くんは慌ただしく、
海外に行ってしまった。

私に、
「さよなら」を言う暇を与えずに。



東くんは、長期的なプロジェクトのメンバーになった、
らしく、しばらく帰ってこれないらしい。


東くんが発ったその夜、
5年ぶりに中学の前に立った。


この目の前にあるバス停からは、
空港に向かうバスが出る。


パスポートはあるし、
東くんが行った国も、
そこでの住所もママから聞いた。
お金も、多少は持っている。


そんなことを考えて、
一人で苦笑いしてしまった。
不意に声をかけられた。


「何してんの。」
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