恥ずかしがり屋な君と無自覚な私


「クッキー、昨日のお礼に作ったんだけど、食べてくれる?」

「ん…もらっとく」


そう言って、差し出したクッキーを橋本くんは受け取ってくれた。


食べてくれる…よね…。


「あ…あのね?少しこげちゃって…だけど食べれないことないから!ちゃ…ちゃんと味見したし…大丈夫…だと思う」


「あぁ…普通に美味い」


「そ…そっか…よかっ…」


良かったと言いかけて気づいた。


普通に美味いよって…。


私は下に向けていた顔をパッと上にあげるとクッキーを口にくわえていた。


「は…橋本くん!?…ここ…こんなところで食べちゃダメだよ?見られたら…」


私は橋本くんの持っていたクッキーを奪い取ってキョロキョロと周りを見回す。


ホッ…。


私は片手でおでこの冷や汗を拭った。


まだ誰も来てない…。


本当橋本くんって心臓に悪いよ…。



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