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東京に帰る日の朝。

3日間、連絡が取れなかった私を心配した順一が迎えにきた。


「お前さぁ、友達と盛り上がるのはいいけど連絡はよこせよ!」

怒った顔に安心した表情が混じり変な顔。

ププっ 吹き出してしまう。

「何笑ってんだよ!俺は怒ってんだぞ!」

「プっ ごめ…
だって変な顔… ププっ」
ごめん。順一。私はまた、あなたに甘えてしまう。

「なんだかなぁ、ムカつく気持ちも萎えるよ」

この人は私がどんなひどい女でも、きっと許してしまうだろう…

私を5年前、暗闇から引っ張り出してくれたのは順一だった。

稔と別れ絶望した私は東京に戻った。

普通の生活をすればなんとかなると思っいた。

なのに、人間が怖くなり、自分が汚く感じ、外に出られなくなった。

会社の上司だった順一は心配して、なんども通ってくれた。

次第に、私は心を開き、全てを告白した。

レイプされた事…稔に言われた事…

私は自分が汚いと、みんなそう思っているんだと…

順一は全てを受け止め、私を裸にすると、綺麗だと言った。

洗い過ぎて擦り傷だらけの私の体を優しく撫で、

全身をくまなく、舌をはわせ、

壊れてしまわないようにそっと抱いてくれた。


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