いじめ―裏切りの連続―
一人、ノリ気じゃないあたしを、ジュリが不思議そうに見つめていることに気付いて…。
「何?」なんて平常心を保って笑いかけた。
あたし、今ちゃんと笑えてる?
笑ってるけど、実際は心臓がバクバクなんだ。
「サキあんた逃げたんでしょ?マジよくやるよ!」
ジュリがあたしの頭を撫でて、「ね?」なんて言って皆に笑いかけてるジュリが、なぜかこの時だけ、怖かった…。
皆が笑ってる中、あたしはただ、苦笑いしかできなくて…。
皆が何か言っていて…
でもあたしはただ笑っていることしかできなくて。
ジュリが「アズサって超トロいじゃん?だからいじめられるんだよ!」なんて笑いながら言ってて、
「ね?」とあたしに笑いかけてくるジュリの目は笑ってなかった
だからあたしは、なんでか、ノってしまったんだ・・・
「だよねぇ!なんであんなトロいんだろぉ」
そういったあたしに、皆は安心してそれからずっと、アズちゃんの悪口を言ってしまったんだ…
ジュリ達に嫌われることを恐れたあたしは…がむしゃらにしゃべった。
その一部始終を、アズちゃんが見ているとも知らずに……………