*恋の味[下]*
冬休み


……――昨日のこと。

玄関を鍵であけ、靴を脱いだ。

前に誰も住んでいなかったのか、傷一つなかった。

まぁ、当然のこと。建ったばかりのマンションなのだから。

新築のいい匂いがする。

が、リビングのドアを開けると……、

「ひどいね…」

「あぁ……」

段ボールの山ができていた。

あまりにも重い家具や電化製品は、引っ越しの業者さんに運んでもらった。

新しい家は4LDKで、広い。

その中の一室は、私だけの部屋。

他は、お父さんの部屋・お母さんの部屋・納戸。

お母さんは、もう天国に逝っちゃったけど、今でも家族の一員だから……。

部屋に入るときは、お母さんに拝むときくらいだけど、昔お母さんの使っていたものは全て置いた。

もちろん、ベッドとかも……。

衣類は、段ボールに入れたまま置いておくけどね。

おばあちゃんたちは、そこまでしなくていいみたいに言ったらしいけど、私もお父さんも同じ。

……――大事な家族だから。


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