とある堕天使のモノガタリⅢ
~ARCADIA~
コロッセオの外壁を見て回る。
『確かあの時、“コロッセオの南側”って言ってましたよね?』
歩き出した忍の後を追うようについて来たニックはふと足を止めた。
『…シノブ待って。』
ニックを振り返ると、彼は辺りを見回し『おかしい』と呟いた。
『クリスの話じゃ、この辺りで奇襲に遇ったらしい。だけど見ろよ…薬莢が一つもない。』
確かに争ったような形跡はまるで無い。
『ここじゃないんじゃ?』
『そうなのかな…』
ニックは腑に落ちない表情のまま再び歩き出した。
忍は南側まで来ると外壁を見上げた。
─…ここを登ったわけ?
その高さはザッと30mは軽くあるだろうか…。
『…普通登れないですよね…』
『…外壁の高さは一番高い所で48m。まず無理だ。』
上を見上げると太陽の光で何がキラッと反射した。
『何かしら…』
それを見上げながら角度を変えて移動するとニックにぶつかった。
忍が見上げる視線の先をニックも見上げる。
『…刀の柄じゃないか?』
『それっぽいですね…後で潤君に回収してもらいます。』
おそらく右京が持っていた日本刀だろう。