とある堕天使のモノガタリⅢ
~ARCADIA~
「…ニックとなんか行かせたくない…」
「わがまま言わない!一応仕事でもあるのよ?」
「…ん…わかった…」
そう言いながら服の中に侵入して来る右京の手。
忍は「こら!」と一喝してその手をピシャリと叩いた。
不貞腐れる右京の鼻を軽く摘まむ。
それでも腕を放さない右京に忍は溜め息をついた。
「…いい加減にしなさいよ?」
「…もしかしたら酷い状態かも…」
コロッセオの事を言っていると気付いて「覚悟してる」と答えると、忍は右京にバサッと布団を被せた。
「それより、せめて下着くらい着なさいよ。目のやり場に困るんだけど…」
「…今更何言ってんの?見慣れてんだろ?」
フンッと少し怒りながら去って行く忍の耳が赤い。
「じゃあね!」
「気をつけて…」
パタンとドアが閉まると右京は枕を抱いてまた浅い眠りに着いた。
◇◇◇◇◇◇◇◇
忍とニックがコロッセオに到着した頃には既に人も多く、とりあえず目立たないよう観光のフリをする。
『…中に入りたいな…』
『そうですね…右京の話じゃ、かなり中が悲惨な状態らしいですし…』
もしそうだとしたら、誰かに気付かれる前になんとかする必要もある。