とある堕天使のモノガタリⅢ
~ARCADIA~
『でも、彼女が記憶を無くしたクロウに会ったら…ショックだと思うわ。』
『…そうかもな…でも会わないよりはいい。
…私ならそう思う…』
そう言うとハニエルはリサに微笑んだ。
リサは少し照れた様に笑みを返す。
『…わかったわ。私が下界に降りて伝えて来る。』
立ち上がったリサはハニエルの鼻の頭に軽くキスをして『でも…』と続けた。
『…記憶を無くしている事は伏せるわ。…シノブが辛くなるもの…』
『彼女はそんなに弱くないと思うけど…』
『解ってないわね、ヒューガ…
女はそんなに強くないのよ?』
リサは少し困ったように溜め息をついた。
『リサがそう言うなら…
バジリスクの話だと恐らくセントルシアの内陸部…山岳地帯だと思う。』
了解と答えるとリサはクー・シーと供に下界へと降りたのだった。
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