とある堕天使のモノガタリⅢ ~ARCADIA~
エピローグ




12月になると何処へ行ってもクリスマス一色に街は変貌する。




忍はそれを見て「はぁ…」と溜め息をついた。




「ちょっと!陰気臭いわよ!?」




隣に居た谷地にそう言われて忍は口を尖らせた。




「だって…今日、クリスマスイブですよ~?なんでイブに忘年会なんですか!?」




「私に言わないでよ!文句なら新庄さんに言いなさいよ!…ったく…嫌がらせかって感じよね~!」




忍同様に不機嫌丸出しの彼女は、腰に手を当てて新庄への愚痴を溢し始めた。




あれほど“早い時期に”と言っていたのに、忍が海外出張で不在の間に新庄が勝手に予定を組んでこの有り様だ。




しかもただの忘年会じゃなくて“慰安旅行を兼ねた忘年会”である。




バスの窓から過ぎ行く街の景色に視線をやり、今度は谷地も一緒に「はぁ…」と溜め息をついた。




「なんだお前ら~!忘年会だぞ?慰安旅行だぞ?溜め息つくなよ~」




馬鹿みたいにハイテンションでそう言って来る新庄を忍と谷地が同時に睨む。




「…よく考えたら新庄さんって彼女もいない独身でしたね…」




「…なんで彼女もいないかよく判るわね…」




自分の寂しさを紛らす為に周りを巻き込む新庄に、今は怒りしか湧かない。




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