そばにいて






大人達の中には、祟りと言う者も現れ、洞窟を誰も入れないように崩すよう提案があった。


でも、呪われるのではないかと実行されることはなかった。








そして、月日は流れ僕は17歳になった。

最後に洞窟に来たのはいつだっただろうか。多分5、6歳のときぐらいだ。





久しぶりに来た洞窟は昔より厳重に鎖が引かれており、誰も中に入った形跡がないようだった。







僕がこの洞窟に来た理由はただ一つ。


何か声が聞こえたから。


声じゃないかもしれない。

ただの耳鳴りを勘違いしただけかもしれない。







でも、洞窟に近づくたびに音は大きくなる。雑音にしか聞こえなかった音が一度だけはっきり言葉として聞こえたことがある。














『誰か…いな…い…の』












< 2 / 106 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop