僕たちのこと
出会った時はアイパー(田舎ですから…)で
ベンツの旧車に乗っていた彼。
2年目に突入した頃には
パンチパーマにかわり、ごっつい刺青(タトゥーではなくて)が
入ってしまっていて、そろそろ嫌気がさしてきていた。
彼の家で過ごす時間がどんどん減り、
実家に仕事を持ち帰って真面目に働くようになってきていた。


21歳の誕生日を迎えて間もない頃だった。
忘れもしない、5月。


近所に住む幼馴染から電話が来た。
その彼は確か仙台の専門学校に行ったはず。



「実家に帰って来てるから遊ぶべ!俺んち来なよ!」



ユキにそんな電話がかかってくるなど、もの凄くレアな事だ。
学校が終わってまで、休みの日まで
友達と遊ぶというような事をあまりして来なかったからだ。



「今、仕事持って帰って来ててさ、忙しいんだ」



ユキはやんわりと断った。
他人との付き合い(特に多人数)は非常に苦手だ。


< 42 / 83 >

この作品をシェア

pagetop