無愛想なCinderella
「まぁなぁ…松島もどうしたらいいかわかんないんだろうな。アイツがそんな積極的に女に声をかけるなんて初めて見たし」
先輩はそう言いながら私の隣に腰を下ろす。
「ふーん…」
私は気の抜けた返事だけ返した。
「―――アイツあの通り見た目がいいだろう?だから大学時代も腐るほど言い寄られてたんだけど、全部無視してたからな。この会社に就職してからもそのはずだし。どんな女が好みなんだかと思ってたら、桐生に声をかけるとは思わなかったわ」
―――そんなん言われなくたって、私が一番そう思ってますよ。
対して美人でもなければ愛想もない。
こんな女に“一目惚れ”だなんて、誰が信じますか。