こころ



思い出した。
真に、私は確かにそう言った。
両親が離婚して、家族が離れ離れになって。
真は、傷ついてた。
苦しんでた。




私の言葉が、これほど彼の支えになっていたなんて。




―君は人のこころに誰よりも敏感で……繊細な子。そんな君なら、進を理解してやれる。人を必死に癒す進を………癒せる。俺を癒してくれた、君だから。俺は………もう一度君に会いたい。………もう少しだ。もう少し、俺が君を支える自信ができたなら。君の『こころ』を守れる男になったなら、君に会いにいこう。―
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