こころ
改めて真由の顔をみると、目は真っ赤だった。
昨日、一人でまた泣いたのだろう。

「心………。真を、忘れないであげて。真は、本当にずっと心だけが好きだったの。」




『真はどうしてちゃんと女の子と付き合わないの?』

『真由……。付き合えないんだよ、俺は。一人しかみえないんだ。』




「悔しかった。悲しかった。真が大好きだったから。でもね、知ったの。私が好きな、まっすぐな真は、その子がいたからなんだって。」



―自分のこころに素直になる。それが難しいんだけど、大切なんだ。俺はそのことを、誰よりも大切な人から教わったんだ。―
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