こころ
だから………私は彼と居ると落ち着くのかな?

進君の腕の中でなら、眠りにつけるのは。

彼の存在に、優しいまなざしに安心するから。





「進は、真をとても頼りにしていたの。真は進にとって、兄以上の存在だったのよ。だから、進も今、苦しんでいるはず。」

「真由なら……進君の力になってあげられるんじゃない?」

だって、進君は真由が好きなのだから。
しかし真由は首を横に振った。



「私は……進を傷つけたから。」
「え………?」

どういうこと………?




「さぁ……心!仕事仕事。」

そう言った真由の表情は、『聞かないで』そう言っているようだったから。

私は戸惑いつつも頷いた。
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