空と海が交わるとき

何かが体の中に流れ込んでいく。



まるで、足りなかったピースがはまっていく感じ



もしかして…



「…私が奪った空の加護が、湊の元に戻っていく。」  



「!…それって…。」




莉子の力が俺の元に帰ってくる。


それは、莉子が…



「こうなる事は分かってた。私じゃ、湊の力を完全に取り込む事は出来なかった。

出来損ないの器だよね…。」



「違う…莉子は、器なんかじゃない。一人の人間だろ…?」



震えていた言葉に、莉子は一生懸命微笑んでくれた。



「湊、お願いがあるの…。私の体が、まだ動く内に…。」




笑って言った莉子に



俺も精一杯笑顔を浮かべた。







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