チェリーガール
たまきが、すかさずボタンを押す。


エレベーター内にいるのは私たち3人だけ。


「そういえば、心愛がまたエロそうな顔してニヤニヤしてた」


思い出したかのようにすだちが喋りだす。


「学校でもニヤニヤ、ここでもニヤニヤ。いつでもどこでもニヤニヤ。どう思う?」


隣のたまきにすだちは質問を投げかけている。


学校でもニヤニヤしてたんだ……。


気付かなかった……。


家でも外でも学校でも……。


そして、ここでも……。


本当にいつでもどこでも……だな……。



「いいんじゃない? 別にって感じ。あんま笑い過ぎてると気持ち悪いけど……」


「笑い過ぎてるんだよ。だから、学校で困ってるの。ニヤニヤニヤニヤ常に笑ってて不気味」


「あはは。もっかい、日本史の先生に怒られないと治らないかもねー」


たまきは、私が話したから『いや―――――ん事件』を知ってる。


たぶん、また怒られても治らないだろうなー。


そんな気がするんだ。


恋熱が冷めないと、ずっと続くんだろうね。



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