one-side Love
再会
新学期早々に入学したての1年の女子が2年のあの高槻健二に宣戦布告をしたというニュースはあっという間に話題になった。
そんな話題の元を作ってしまったあたしは、悲痛のどん底で屋上に続く階段の隅っこで泣いていた。
どうして、なんで、ムカつく!とにかくあたしはいろんな感情が溢れて、わけわかんなくてだけど無性に次から次へと涙は流れてきて止められらい。
ケンちゃんのバカ~!
そんなことを思って彼此《かれこれ》1時間くらいはここに居る。
あたしがケンちゃんに会いに行ったのが2時間目が終わった休み時間・・・授業サボっちゃった。
巴も鈴も心配してるかな、でももう4時間目も始まってるし授業中の教室に入る勇気もないからお昼休みまでサボっちゃおう。
あたしはジメジメした階段を上り屋上へ繋がるドアノブを回してみた。
案外簡単にノブは回り、この日が当たらないジメジメした空気を一掃してくれる風が流れた。
ふぅ~、気持ちいい。いっぱい泣いたし、次はケンちゃんにあたしのことを思い出してもらえるように頑張るんだ!
新たな意気込みをした、春のちょっと風が強い日だった。