君の笑顔をもう一度

お祭り



 う~ん
 

 私はいつもの様に頭を悩ませていた。
 だって後一週間で期末だよ!!

 最近じいちゃんの稽古が厳しくてやったら
 すぐ寝てたから勉強サッパリしておりませ
 ん。

 取りあえず私は図書室に向かう。
 でも、図書室っていつも人いないから落ち
 着いて出来るんだよね。

 机の上に教科書とノートを開く。

 「ん~とここはこうで・・・・・」

 一人ぶつぶつ解く。
 その声は静かな図書室に響いた。
 
 「あれ?ここってどう解くの?」

 この問題解けないや・・・・。
 どうしょう参考書見ても分かんない。
 

 こうゆうのって先生に聞けばいいんだろう
 ろうけど今って会議中だから無理だった。

 どうしょう・・・・・・。


 「ここはこのこう式使うんだぞ」
 え!?
 
 私の後ろから手が伸びてきて男の子の声
 がした。

 誰??
 
 後ろを振り向く。

 そこには思いがけない人が立っていた。

 「隼人君!?」


 


 「何でここに?」

 「いいから分かんないんだろ?教えてや
  るよ」

 え!!
 本当に?
 
 隼人君に教えてもらったらいい点数が取
 れそう。

 「お願いします」

 ぺこりと頭を下げる。


 
 「・・・・ん正解。お前理解力いいな」
 「ありがとう」
 
 理解力いいか・・・・。
 初めて言われたかも。

 それから2時間みっちり教えていただき
 ました。

 「今日は本当にありがとう」

 お礼を言う。

 「どういたしまして」
 
 それに返してくれた。



 始めは隼人君ってクールな人なのかと
 思ったけど、日に日にやさしい人なんだ
 なと思うようになった。



 
 だけど、君の本当の素顔に、
 この時の私は気づく事が出来なかった。

 もっと早く気づいていれば・・・・・。

 




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