アイツと過ごしたあの時間
プロローグ
 あの時の言葉を今もまだ覚えている。
  
 「お前さ、ちびだな。もてねーぞ。そんなんじゃ」
  
 初めてアイツと話した会話は最悪だった。
 そして、私は最初アイツが大嫌いだった。

 しょっちゅうケンカして、先生にも怒られてて・・・。

 そんな毎日が楽しくて、おもしろくて、
 大好きだった。

 ずっとそんな日々が続くと思ってた。

 でも、アイツは、もう、いない。

 転校したんじゃない。
 卒業したんじゃない。

 もう、「いない」んだ。

 どこにも。

 どこを探しても、
 家にも、学校にも、どこにも。

 だってアイツは・・・
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