となりの女の子
小6にもなると、いくら双子でもそれぞれの主張にも違いが表れてきた。

そこに、そろそろ思春期も加わってきてもいるのだろう。

それまでにも
「比べるな!」と言われたことは多々あったのだが、
「俺とアイツは違うんだ!一緒にしないでくれ!」とも言われたこともあり…

その時と場合で上手く合わせて相手をしながら、子育てをしてきた怜子。

しかし、ある問題が浮上した。

それは、怜子が仕事を始めることになった時、ちひろとの会話の中で持ち上がった。

「え〜。もしかして…中学受験するの?」

「は?なんでそーなるの?」

「だって、お金がかかるから…」

「受験じゃなくてもお金が出ていく一方なのよ!」

「またまた〜!」

「あのね、双子の場合、出費が倍なの!だだの兄弟と違って時間差が無くて同時だからさぁ…」

「そっか〜」

「…片方だけ受験させるワケにはいかないし。」

「まぁね。」

「…」

「あれ?どうかした?」

「ん?あ、うん…実はさ、先生に颯太は受験するのかって聞かれてさぁ。」

「へー、颯ちゃん勉強できるんだぁ?」

「まぁ、寛太に比べればね…」

「教師たるものが双子を比べたりする?」

「クラスが違うから全部が全部じゃないけど…あまりにも違いすぎるからねぇ。」

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