鉄の救世主(くろがねのメシア)
麗華に案内されて向かった先は、隕石群の集中砲火を浴びて橋が半分落ちてしまった川だった。

向こう岸までの距離約20メートル。

向こう岸には老婆が一人取り残されてしまっている。

「ちょっと水量が多いわね」

川の深さは、ちょうど豊田の膝辺りだろうか。

流れは比較的速い。

老婆が一人で渡河するには、足をとられてしまいそうな速さだった。

「麗華、私が行くわ。サポートよろしく」

豊田は麗華にロープを準備させ、命綱として腰の辺りに括りつけた。

< 43 / 109 >

この作品をシェア

pagetop