鉄の救世主(くろがねのメシア)
その頃、上空。

隕石群第三波を退けた戦術航空自衛隊のF-15DJイーグルのパイロットは、戦闘速度から巡航速度に飛行速度を移行、一息ついていた。

何とか水際で隕石を阻止できてよかった。

これ以上の損害は許す訳にはいかない。

操縦桿を握る手にも自然と力がこもっていたのだろう。

ガチガチに固まっていた手を緩め、自分が緊張していた事に気づいてヘルメットの下で苦笑いする。

が、その苦笑いも束の間。

「!」

警告音が響く。

「!!」

コクピット内で上を見上げ、キャノピーに手を当てて更なる上空へと視線を向けるパイロット。

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