鉄の救世主(くろがねのメシア)
かくして大鍋の前には大勢の被災者の行列が出来上がった。

「はい、いっぱい食べてね」

食べ盛りの男の子に大盛りの豚汁を手渡す麗華。

「慌てないで並んで下さいね。まだまだ沢山ありますから」

豊田も笑顔で後続の列に言う。

小川も女性隊員に混じって食事を振る舞う。

笑顔で食事を口にする被災者達。

子供達の「うめぇ!」という声が隊員達を笑顔にさせる。

「この豚汁は誰が作ったんだい?」

一人の老人が麗華に言う。

「あ、私や豊田さんや女性隊員が…」

口に合わなかっただろうか。

少し困惑する麗華。

しかし老人は空の器を差し出して。

「美味いねぇ。もう一杯貰っていいかい?」

満面の笑みを浮かべる。

「はっ、はいっ!幾らでもどうぞっ!」

麗華もまた満面の笑みで、器を受け取った。

< 84 / 109 >

この作品をシェア

pagetop