鉄の救世主(くろがねのメシア)
僅か一時間ほどで、大鍋は綺麗に空になった。

被災者達も満足いくまで食事が出来た様子だ。

作った甲斐があった。

上手く食材が調達できてよかった。

隕石の被害を受けているのはここばかりではないので、毎日のように今日のような温かい食事を準備できるとは限らないが、できる限り体が温まるような食事を提供したい所だ。

麗華と豊田が空になった食器などを洗っていると。

「あの…」

数人の少年達が歩み寄ってきた。

「ん?どうしたの?」

顔を見合わせ、問いかける麗華と豊田。

そんな二人に。

「美味しい朝ごはんをご馳走になったから…後片付けくらい僕らも手伝います」

少年達は誰に言われるでもなく、自主的に麗華達の手伝いに来たのだ。

隊員達と被災者。

少しずつ、両者の間に絆が生まれ始めている。

「じゃあ…手伝ってもらおうかな?」

麗華達は少年達に微笑みかけた。

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