男装美少女
最悪と最高の狭間で
ガチャッ。



あたしの家の扉は内側から開けるタイプ。




そのせいで、




ゴンッ。



ドアぎりぎりに立っていた雅さんに、クリティカルヒット。




倒れてしまった。




「ああっ、すみませんすみません。だっ、大丈夫ですか?」



大丈夫なはずはないのに、かける言葉が他にはなかった。




「ううっ。だっ、大丈夫よ。それより制服を届けに来たわよ。」




わざわざ、朝の六時半に制服を届けに来てくれたんだ。




「さっきはほんとにすみませんでした。それより、わざわざ届けに来てくださってありがとうございます。」




そのあと、みんなが降りてきてしまったので雅さんたちと別れて、朝ご飯を作り始めた。




「みなさ~ん。朝ご飯はパンですし、もうできましたよぉ。」


3歳児のような龍さんが、は~いと明るく答えたのをあたしたちは苦笑いで返した。





むぐむぐっ。




やっぱり朝はパンだね。
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